ロングテールワードでSEO対策方法|メリット・デメリットも解説

longtail SEO

「SEOで上位表示するためにはロングテールキーワードを攻略する必要がある」

このような言葉を聞いたことのある、Web担当の方も多いのではないでしょうか?

多くの競合サイトがひしめく検索エンジンで上位表示させるには、勝てるキーワードを見つけることが重要となり、ロングテールキーワードにはその要素が詰まっています。

単体で上位表示してもアクセス数のインパクトは小さいかもしれないですが、ユーザーのニーズに寄り添ったコンテンツを用意するには必要不可欠なワードです。

当記事では、SEOにおけるロングテールキーワードの意味や役割、活用することでのメリット・デメリットなどを解説します。

ロングテールSEOとは

ロングテールキーワードとは、「複数単語が組み合わさった状態」と「月間検索ボリューム」、2つの意味で使い分けられるキーワードです。

(当記事では、ロングテールキーワードを用いたSEOをロングテールSEOと定義します)

「複数単語が組み合わさった状態」とは、検索窓に入力する単語が複数(一般的には3つ以上)組み合わさったケースを指して定義されます。

単体キーワードが「メンズファッション」である場合、「メンズファッション 20代」は複合キーワードとなり、「メンズファッション 20代 トップス」など、さらに単語を追加して組み合わせたものがロングテールキーワードです。

単語数が増えることで検索意図も絞り込まれるため、ロングテールキーワードはユーザーのニーズを特定しやすいという傾向があります。

2つ目の意味は、検索ボリュームによる定義です。

  • ビッグワード
  • ミドルワード
  • スモールワード

SEOにおけるキーワード名称は上記のように検索ボリュームで分けられます。ロングテールキーワードはスモールワードと同じような意味=検索ボリュームの小さいキーワード、として使われることがあります。

ロングテールキーワードの検索ボリューム目安

ロングテールキーワードの検索ボリューム目安は、月間1,000回未満と言われています。

キーワードの種類月間検索ボリューム
ビッグワード10,000回以上
ミドルワード1,000〜10,000回程度
ロングテールキーワード(スモールワード)1,000未満

あくまで目安ですが、ザックリとしたボリューム感と名称を理解しておきましょう。

ビックワードやミドルワードとの違い

ビックワードやミドルワードの検索ボリューム目安は上で紹介したとおりですが、具体的な単語を例に出して見てみましょう。

キーワードの種類検索ワード例月間ボリューム
ビッグワードSEO49,500回
ミドルワードSEO ツール1,900回
ロングテールキーワードSEO ツール おすすめ110回
※2022/10/25 Ubersuggest調査

単語をひとつ追加するだけで検索ボリュームは大きく異なることがわかります。

制作するコンテンツの情報量や検索ユーザーのペルソナ、想定アクセス数など、狙うキーワードによってSEO戦略も大きく変える必要があることを理解しておく必要があります。

ロングテールSEOのメリット

ロングテールキーワードを活用する場合、SEO的なメリットを理解しておくことで、戦略も大きく変わります。

  • ユーザーのニーズを捉えやすい
  • コンバージョン率が高い
  • 競合が少ない

上記内容についてそれぞれ解説します。

ユーザーのニーズを捉えやすい

ロングテールキーワードは複数単語が組み合わさっているため、単体ワードと比べて検索ユーザーの意図(インテント)の把握が容易です。

「SEO」という単語だけで検索された場合、SEOの意味を知りたいのか、SEOの具体的な施策について知りたいのかなど、ユーザーの検索意図は特定しにくいです。

その点「SEO ツール おすすめ」といったロングテールキーワードは、『オススメのSEOツールを知りたいんだろう』と検索意図の特定も容易になります。

SEOで上位表示する基本は、コンテンツと検索意図をマッチさせることなので、ロングテールキーワードを意識することは上位表示させるためにも合理的な戦略と言えます。

コンバージョン率が高い

商品をコンバージョン(成約)させたい場合、ニーズに沿った情報を用意し、ユーザー心理を誘導するコンテンツが必要になります。

ロングテールキーワードで検索するユーザーは、ニーズも具体化していることが多いため、コンバージョンに近いKWを見つけられればコンバージョン率の高いページが作成できます。

一例ですが「〇〇 予約」「〇〇 申込」など行動を表すキーワードや、「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」など購入検討時に使用するキーワードなどで上位表示がとれると、コンバージョン率を上げられる可能性が高まります。

競合が少ない

大量のアクセスが見込めるビックワードやミドルワードは、資金力や人的リソースの豊富な企業サイトが上位を占めていることも多く、ドメインが育っていないWebサイトではなかなか太刀打ちできません。

しかし、検索ボリュームが少ないロングテールキーワードでは、企業サイトなどが介入されていないこともあるため、強い競合を避けた戦いができます。

ロングテールSEOのデメリット

メリットの多いロングテールSEOですが、デメリットも理解しておきましょう。

  • キーワード単体のアクセス数が少ない
  • ページ数が多くなることで管理が複雑になる

上記内容について、具体的に解説します。

キーワード単体のアクセス数が少ない

上述でも解説したとおり、ロングテールキーワードは月間検索ボリュームが少ないため、上位表示できてもアクセス数のインパクトは大きくありません。

検索ボリューム数と上位表示できる確率は反比例する傾向にあるため、どの程度の検索ボリュームを狙うかは、自社サイトが上位表示できているキーワードから分析する必要があります。

ページ数が多くなることで管理が複雑になる

ロングテールキーワードをメインにページ制作していくと、ターゲットとするキーワード候補も多くなるため、必然的にページ数も多くなります。

管理できていないままページを作成していると、重複コンテンツが発生したり、複数ページで同じクエリ(単語)を取り合うカニバリが発生したりと、SEOに悪影響が出ることもあります。

そのため、狙うキーワードについては、エクセルやスプレッドシートなどを使って管理することをオススメします。

ロングテールキーワードの探し方

ロングテールキーワードを、想像や連想だけで探すのは限界があります。

そのため、ここではツールや検索結果画面からヒントを得る方法について解説します。

方法1:Search Consoleで流入クエリを確認

Google Search Console(グーグルサーチコンソール)は、Googleが提供する検索流入状況を計測できる無料ツールで、サイト全体や各ページ毎の流入実績を確認できる、SEOには必須のツールです。

※こちらのツールは、公開済みページの状況確認で使用するため、新規制作時よりも主にリライトする場合を想定した解説となります。

検索エンジンの検索窓に入力された語句のことを「クエリ」と呼びますが、Google Search Consoleを使えば、どのページにどのクエリで流入しているかを特定できます。

狙っていたキーワードが想定どおりの順位にランク付けされているかも調べられますが、このとき想定していなかったクエリを確認できることがあります。

狙っていたキーワードに関連するクエリであれば、ロングテールキーワードとして複合させることで、新たなニーズにこたえるコンテンツを作成できます。現在のコンテンツに不足している単語や情報を記事内に追加することで、順位が上昇することも多いです。

方法2:サジェストキーワードから確認

サジェストキーワードとは、検索窓に単語を入力した際、検索候補として表示されるキーワードです。

自身やほかのユーザーが検索した履歴など、Googleが持つ独自のデータを元にキーワードが選定される仕組みで、サジェスト(提案)されるキーワードはトレンド的な要因も含まれます(調査時期によって結果が変わることも特徴)。

調べたいキーワードと一緒に、多くの方が検索しているキーワードなので、ロングテールキーワードとしてコンテンツに盛り込むことで情報の充足に役立ちます。

サジェストキーワードをピックアップするには、表示されたサジェストを目視で確認するのもよいですが、ラッコキーワードなどのツールで抽出すると効率的です。

方法3:再検索キーワードから確認

再検索キーワードとは、検索結果画面下の「関連キーワード」や、ページをブラウザバックした際、ディスクリプション下に「他の人はこちらも検索」として表示されるキーワード群のことです。

再検索キーワードは、特定のキーワードで検索行動をとったのち、ブラウザバックして別のキーワードで調べなおす行動(再検索)をしたときの情報を、Googleが収集して表示しているキーワードです。

つまり、ユーザーのニーズが解決しなかった際に入力されるキーワードとなるため「再検索キーワード」と呼ばれています。

再検索キーワードをロングテールキーワードとして選定することで、ユーザーのニーズに近いコンテンツ制作が可能となります。

方法4:トレンドから確認

世間の興味関心が強まっているトレンドをキャッチしてキーワードに反映させることも、集客する上では効果的な戦略です。

TVやラジオ、雑誌などのメディアから調べてもいいですし、SNSなどで拡散されているトピックを拾ってもいいでしょう。

また、Googleが提供しているGoogle トレンドを使うと、調査したキーワードの検索回数推移を調査できます。

検索回数が上昇傾向にあるキーワードは、現時点での月間検索ボリュームが小さくても、のちのち検索ボリュームが増加することもあるでしょう。良さそうなキーワードを見つけたら、まだ競合が多くなく上位表示しやすい段階で勝負できる可能性もあります。

また、ツール内では関連トピックや関連キーワードも表示されるため、ロングテールキーワードとして抽出したいキーワードのヒントも得られます。

Webサイトにおけるキーワード設定例

現在のSEOでは、戦略的にサイト内のコンテンツとページをまとめる「トピッククラスターモデル」といった、リンク構造の構築が効果的であると言われています。

トピッククラスターモデルは、ペルソナとするユーザーニーズの核をトピックとし、それに紐づく情報をクラスターページとして、クモの巣のように張り巡らせる構造です。

ブログサイトであれば、トップページ>カテゴリページ>記事ページと、取り扱う情報の詳細度が変わるため、詳細度にあわせて狙うキーワードの検索ボリュームを変えることになります。

ページの情報詳細度と、狙うキーワードの検索ボリュームをある程度近づけることで、ユーザー・Googleどちらにも理解しやすいWebサイトの構造ができあがります。

サイトトップ(ドメイン)=ビックワード

Webサイトのトップページでは、サイト全体で獲得したいキーワードを狙います。

旅行がテーマのWebサイトであれば、「旅行」というビックワードをターゲットとして設定します。

キーワード月間検索ボリューム
旅行135,000回
※2022/10/25 Ubersuggest調査

カテゴリページ=ミドルワード

カテゴリページは、取り扱うテーマを分類した内容で構成します。

キーワード月間検索ボリューム
旅行 クーポン4,400回
旅行 服装2,400回
旅行 温泉1,900回
旅行 ツアー1,600回
※2022/10/25 Ubersuggest調査

一例として選定していますが、上記の場合「クーポン」「服装」「温泉」「ツアー」といった単語がカテゴリとなり、大テーマである「旅行」の検索意図を詳細に絞り込む想定です。

記事ページ=ロングテール

各記事ページは、複数のページでカテゴリ内容を網羅するイメージでキーワード選定します。

下の表は「温泉」カテゴリ内で扱う、記事ページのキーワード例です。

キーワード月間検索ボリューム
旅行 温泉 カップル170回
旅行 温泉 おすすめ140回
旅行 温泉 関東110回
旅行 温泉 宿10回
※2022/10/25 Ubersuggest調査

わかりやすいように、カテゴリページで選定した単語に1語加えたキーワードを挙げましたが、検索ボリュームやカテゴリ内容のニーズを網羅できるなら、2語であっても問題はありません。(キーワードが「温泉付き 宿」であっても、トピックは同じ内容であると想定できます)

記事ページのキーワード選定では、次の2点を意識するとよいでしょう。

  • カテゴリに対して検索意図がズレていないこと
  • トピック(テーマの内容)が同じ範囲内であること

ロングテールSEOの実践例

これまでに、キーワードの選定方法やサイト全体におけるキーワードの扱いについて解説しました。

次はブログサイトの記事ページを想定し、コンテンツ制作における具体的なロングテールSEOの実践例を解説します。

STEP1:狙いたいキーワードの検索意図を捉える

まずはキーワードに含まれる検索意図を深掘りします。

Googleは人の検索クエリを4つに分類できるとしており、その内容が以下の表のとおりです。

クエリ種別内容
Doクエリ◯◯をしたい
Knowクエリ◯◯を知りたい
Goクエリ◯◯に行きたい
Buyクエリ◯◯を購入したい

狙っているキーワードがどれにあたるかは、検索窓下に横並びで表示される検索タブ「バーティカル検索」の並び方でも判断できます。右側のタブが「動画」であればDoクエリ、「ショッピング」であればBuyクエリ、「地図」であればGoクエリが近いと推測できます(それ以外はKnowクエリ)

クエリの種別は、コンテンツの見せ方や構成のヒントにもなるためチェックしておきましょう。

また、サジェストキーワードや再検索キーワードなども抽出することで、狙っているキーワードに関連する検索意図が把握できます。

さらには、上位表示されている競合サイトを確認することで、現時点でGoogleから評価されているコンテンツの例がわかるため、ニーズを網羅的に満たすためには確認しておくとよいでしょう。

上記の調査から見えてくる検索意図は、箇条書きにしてまとめてみましょう。

STEP2:ページ内で狙うキーワードをピックアップ

STEP1で検索意図が見えてきたとは言え、そのままテキストにして構成を組むのはもったいないです。

再検索キーワードやサジェストキーワードなどをあらためて確認し、検索意図に合致するキーワードを特定しピックアップしましょう。

  • 九州に温泉旅行する場合の交通手段を知りたい
  • 九州にあるオススメの温泉宿を知りたい
  • 温泉旅行に持って行った方がいい荷物を知りたい

たとえばSTEP1で上記のようなニーズがあると予想した場合、「九州 温泉地 交通手段」や「九州 温泉宿 オススメ」などの検索キーワードが該当するでしょう。

SEOではタイトルタグや見出しタグに含めるテキストが重要となるため、ニーズをテキストにするときは、なるべく重要なキーワードが漏れないようにピックアップしておくとよいです。

STEP3:コンテンツと見出しを決める

STEP1とSTEP2で検索意図とページ内に含めるキーワードは決まっているため、漏れのないように見出しにしましょう。

コンテンツにしたいニーズは、ピックアップしたキーワードが含まれていることを意識しながら、大見出しをh2、その内部要素として中見出し・小見出しをh3やh4として設定します。

ここまでで、検索意図を意識したコンテンツと、記事内に入れるキーワードが含まれた階層構造の骨組みができあがります。

STEP4:読者の心理を意識して構成を作成する

構成を作成する際は、ユーザーの検索意図が満たされたときに「どのような状態になって欲しいか」といったゴールを設定することが重要です。

ロングテールキーワードから推定される検索意図を満たすために、内部リンクで回遊をしてもらう必要がある場合は適切な箇所にリンクを設定する必要がありますし、コンバージョンを狙えるキーワードであればCTA(成約ポイント)の設置も必要です。

STEP1〜STEP3までの考え方をベースに、ページ内情報に過不足がないかまで考えられたコンテンツが作成できれば、ロングテールSEOを十分に実践できているといえるでしょう。

ロングテールSEOの注意点

ロングテールSEOを実践する際、デメリットのほかに知っておかなければいけない注意点があります。

SEO初心者の方にとっては難しい内容かもしれないですが、効率的に上位表示を狙うためには把握しておく必要があります。

ページ間でキーワードの検索意図が重複しないようにする

ロングテールキーワードを扱っていると、ベースとなるトピックに紐づく複数の検索意図と向き合うことになりますが、ページ数が増えてくるとクラスターページ間(各記事ページ)で検索意図が重複してしまうこともあります。

キーワード自体が被ることは問題ありませんが、検索意図(トピック)が重複する場合、流入クエリでカニバリを引き起こす要因となっていまいます。

※カニバリ・・・複数ページで同じクエリを取り合うことで、下位表示のページ評価に引きづられて上位表示しづらくなる現象

検索意図が被ってしまいそうな場合は、ページを削除するか、1ページにまとめることで対処しましょう。

ドアウェイページを作らないようにする

ドアウェイページ(誘導ページ)とは、ユーザーを特定ページに誘導するためだけに作られたページのことを指します。

誘導だけを目的としている場合、ページのコンテンツには価値がないものと見なされるため、Googleのガイドラインにも違反することとなり、SEOにも悪影響を及ぼします。

ドアウェイページと見なされる条件の中で、コピペで量産したような低品質ページが該当します。

ロングテールキーワードとなる候補が多くあるトピックの場合、ほぼ同じ内容で、タイトルと見出しの一部だけを変えたページの量産も可能です。しかし、そのような独自性のない量産ページを作成しても上記のとおりメリットはありません。

単語の組み合わせを一部だけずらしたキーワードでコンテンツを作るようなことはせず、ユーザーの検索意図毎にコンテンツ作成する必要があることを理解しておきましょう。

ロングテールSEOで上位表示を狙おう

ロングテールSEOは、サイトが育っていない新しいドメインや、個人ブロガーにもオススメの戦略です。

キーワード調査や検索意図の深掘りなど、頭を使うことも多くありますが、ユーザーの検索意図と向き合うコンテンツSEOを徹底できれば上位表示も狙えるようになります。

ただ、戦略は理解できても手を動かすリソースがないという方もいるでしょう。プロクルコンテンツでは、現在の検索順位や、競合調査から次に行うべき施策の提案からコンテンツの制作、リライトまで一貫して行っています。

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